豊な史

文亨進師を文鮮明師の正式な正当な後継者とするサンクチュアリ(世界平和統一聖殿)の一員として日々感じたことを著して、問題提起をしたいと思います。

半導体が世界の行末を決める?

 一昨年から昨年の特に前半にかけて半導体の不足により、世界的混乱が生じました。

 テレビでもお馴染みの萩生田大臣(当時は通産大臣で現在自民党政調会長)が一昨年の暮れにテレビで面白いことを言っていました。

 東北地方の田舎のお婆さんから来た手紙を紹介していました。

 給湯器が故障して電気屋さんに修理を頼んだら修理に必要な部品が届くのに2か月くらいかかって年内に直らないと言うのです。

 それで仕方なくそれでは新品に買い替えると申し出たらそれは5か月もかかって来年春まで届かないという返事だったのでびっくりしながら嘆いて大臣に手紙を出したのです。

 どうか日本をお風呂に入れるような国にしてくださいという内容だったそうです。

 荻生田大臣は驚いて業界の担当者たちを集めてこれは本当か、どうなっているのかと聞くと皆一様に本当だと答えたということです。

 手に入らなかった部品がマイクロコントローラ(通称マイコン)を含むものだったそうで半導体不足が深刻で手に入らないのです。

 また車は新車で買おとしたところ納車が半年待ちがザラにあってすぐ欲しい客は中古車市場に殺到することが発生しました。なんとすぐ手に入る中古車の方が新車よりも高くなってしまったいう話まであります。

 たった一つの部品がないために、完成品としての給湯器ができない、車が完成しないで売ることができず納車が数ヶ月以上できないということが起こるのです。

 普段から余裕のある部品も在庫があれば良いわけですが、日本(ある程度世界もですが.)ではトヨタカンバン方式があまりにも生産現場では有名で必要のない在庫を一切持たないやり方が定着していました。

 これを今見直しているわけですが、同時に一部の国や会社に部品が偏らないように部品の調達先の危険性を回避(リスクヘッジ)することが重要であることがはっきりしました。

 なんと言ってもコロナ禍によって生産が止まった、あるいは流通が止まった(国際的にはコンテナが止まる)ことによるものが大きいのですが、ロシアのウクライナ侵攻のような紛争や戦争によるもの、コロナ以後のパンデミックによるものなどのリスクによって引き起こされる供給不足をどう防ぐかが大きな課題となりました。

 私の友達に工務店に勤務する一級建築士がいますが、一昨年に木材の価格が二倍、三倍になるウッドショックという事態が起こりました。

 その後、今度は中国の生産が止まったため住宅のトイレが供給できず、数ヶ月間納品ができない事態が全国的に起こりました。

 このような状況をサプライチェーンリスクと言いますが、その最大と言える問題が半導体不足でした。

 なぜなら半導体は現代の産業のコメ(産業の中核を担うもの。幅広い分野で利用され、産業全体の基盤となり、生活に必要不可欠なものをいう。)と呼ばれるものだからです。

PC,電化製品、車、は言うに及ばず、最先端商品(産業ロボット、AIなど)さらに先端兵器などその技術は一国や世界の状況を一変させます。

 携帯電話なとどもその典型です。

今は4G(第四世代)から5G(第五世代)へ移行していますがさらに6Gへの向かっています。このような技術革新の鍵を大きく握っているのが半導体の技術進化と供給力です。

 部品や資源の多くは世界の工場として発展してきた中国に頼っていた日本としてはサプライチェーンの見直しは中国との関わり合いが課題となりました。

 そこに米中対立が拍車をかけます。第三次世界大戦となる可能性が最も高いのが米中の覇権争いが引き金となることです。

 半導体の先端技術や生産能力は米国が中国を5年くらい先に進んでいると言われています。

 今の米国に追いつくのには中国は五年かかるということです。

 その五年の間に米国は先に進みますのでその差を埋めるのは簡単ではありません。 

 中国はこれまで半導体をはじめとする先端技術を米国や日本などから合弁会社の設立や技術者の引き抜きなどで急発展をしてきました。それが米国の政策の転換で技術移転が難しくなってきました。

 日本はどちらにつくべきでしょうか?

実は80年代半ばまで日本はこの半導体は圧倒的なシェアを誇っていました。それが今では米国、台湾、韓国などに遅れをとっています。

バブル後の日本経済の停滞とほぼ重なっていることです。

 今日本が大きな転換期に立っているのは経済としても安全保障としてもこのような背景があるのです。

 中国の台頭を防いで米国、台湾などと共に大きな発展を成し遂げるチャンスが巡ってこようとしているのです。次回、そのことに触れます。